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「中国はナショナリズム抑制を、戦前日本の失敗を教訓に」 世界の賢人が見る中国の未来像/中尾武彦

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アジア開発銀行の総裁として中国の高官と対話を重ねてきた中尾武彦氏。国際金融に精通する中尾氏が見る中国の課題は。

みずほリサーチ&テクノロジーズ理事長、前アジア開発銀行総裁 中尾武彦(なかお・たけひこ)1956年生まれ、78年大蔵省入省。東京大学経済学部、米カリフォルニア大学バークレー校経営大学院卒。IMF政策企画審査局、在米国大使館公使、財務省国際局長、財務官などを経て2013年4月から20年1月までアジア開発銀行総裁。20年4月からみずほ総合研究所理事長、21年4月から現職。(撮影:尾形文繁)

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[ Point ]

・中国が国際秩序の中心になることはない

・拡張主義による国力拡大策は破滅を呼ぶ

・日本は経済関係を基盤に中国に変化促せ

──中国の将来像をどう見ていますか?

人口が4倍の中国が経済規模で米国を抜くことは十分にありうる。しかし、中国が国際秩序の中心になるかといえば、予見可能な未来には実現しないと思う。やはり社会が発展するほど人は自由を求めるし、それを欠いた中国のソフトパワーには限りがある。

1978年に改革開放政策が始まって以来の中国の成長は、人類史に残るものだった。その原動力は、外国との貿易、直接投資の受け入れ、教育や研究の交流、経済運営の自由度を上げてきたことだ。米国など先進国とデカップリングされていったときに、これまでの成長が維持できるとは思えない。

経済運営面では再分配機能の弱さが問題だ。貧困は減ってきたが、所得格差は非常に大きい。所得税は十分取れていないし、相続税も固定資産税もない。都市戸籍と農村戸籍の格差がもたらす歪みも大きい。共産党の力が強い今のうちにこれらを是正しないと社会の分断が固まってしまい、大きな不安定をもたらすだろう。

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