2035年前後まで政権を握ろうとする習近平。その遠大な構想とは。
2050年の中国はどうなっているか。それを読み解くため、まず習近平・中国共産党総書記の歴史的使命感に注目し、それから彼の退出後の中国を考えてみたい。
今年7月、中国共産党は設立100周年を迎えた。1日の天安門広場での記念式典に続き、6日にはオンラインで「中国共産党と世界の政党指導者のサミット」を開催。ここで習近平はこう宣言した。「中国共産党は、今後も各国の政党や政治団体とともに、歴史の正しい側、人類の進歩の側に立ち、人類運命共同体の構築を促進してよりよい世界を築くため、新たな、より大きな貢献を果たしてまいります!」(強調筆者)。
習近平はこれまで国内で類似の発言をしていたが、ついに世界に明確な発信を始めた。スピーチの前段では、「中国は国際秩序の擁護者だ」「人類を正しい方向に牽引していくのが政党の責務だ」などとも強調していた。彼は自分では正義の味方のつもりだ。
では習近平の歴史観はいかなるものか。筆者は最近、総書記就任後の彼のスピーチを読み直し、その一貫したロジックに改めて気づかされた。彼の歴史観は、「マルクスの唯物史観」に対する中国共産党的な理解に、独自見解をプラスしたものだ。
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