日本IBM新社長、「日米ルーツ」を活かせるか 今後問われる日本拠点の"存在感"
社長を退任するイェッター氏は今回、日本IBM会長に就任。2014年11月には米IBMの上級副社長に”昇格”しており、今年1月からは売上高で最大の約4割を占めるグローバル・テクノロジー・サービス部門の責任者となっている。2012年に日本IBMでは、実に56年ぶりとなる外国人社長として就任。それ以降、人員整理などのリストラに踏み込み、全社的なコスト削減の大ナタを振るったことなどが評価されたと見られる。PCサーバー事業の譲渡なども含め、イェッター氏の改革は、一定の成果を収めたと言えそうだ。
"外資系"の経営スタイルが前面に
消費者に浸透していたIBMブランドだが、「ThinkPad」などPC事業からの撤退もあり、コンスーマー向けに”顔の見える”ビジネスは姿を消していった。日本IBMは外資系といえども、生え抜き社員から選抜される日本人経営陣のもとで日本的なカルチャーも育っていたが、リストラを徹底する過程で、外資流のドライな経営が前面に立つようにもなっていった。
日本IBMの変遷について、競合する、ある国内IT大手のベテラン社員はこう語る。
「2000年代初頭に業績が急悪化して以降、システム構築の受注で競合することが減り、日本では存在感が薄れたままだ。リストラで落ちた社員のモチベーションの全社的な回復もまだ十分でないのかもしれない」
2年後の2017年には創立80周年を迎える日本IBM。かつてのような輝きを再び取り戻せるかどうか。今年度第1四半期(1~3月期)中、早ければ今月にも、与那嶺新社長が会見で姿を見せると思われる。リストラ路線でなおもコストカットを継続するのか、それとも積極的な成長路線に打って出るのか、第一声が注目される。
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