天才は、世界がうなるような志を持っている--秋元征紘・ジャイロ経営塾代表(第3回)

天才は、世界がうなるような志を持っている--秋元征紘・ジャイロ経営塾代表(第3回)

--ナイキでの初めての社長業はいかがでしたか。

わずか2年でしたが、大変でした。社長を外部から引っ張ってくるときというのは、何か問題があるときなんですよ(笑)。

とはいえナイキでは、創業社長のフィル・ナイトから「感情的な絆(エモーショナル・タイ)」という考え方を学ばせてもらいました。彼はもともとオレゴン大学陸上競技部の中距離ランナー出身、たたき上げでナイキを作っためちゃくちゃ個性の強い人です。

彼はよく「俺たちはシューズを売っているのではなく、夢を売っているんだ」と言っていました。ナイキと人々(消費者、アスリートそして従業員)の間に「アスリートあるいはスポーツの実践者としての精神」を結ぶ「感情的な絆」の存在を最も重視しました。

たとえば、フィルが主導しナイキが契約するアスリートはそれを具現したいものを持っているかどうかで決まり、そのアスリートに感動する消費者がナイキの客となるのです。わかってくれる顧客をきちんと捕まえるというスタンスです。実際のところ、当時ナイキのバスケットシューズを履いた子どもたちは皆、自分がマイケル・ジョーダンになったような精神の高揚の中で熱狂していましたよね。

ペプシのロジャー・エンリコも「砂糖水を売るのに何で理屈がいるのか」と言って、当時子どもたちが熱狂していたMJを採用してペプシを成功へと導きました。いわゆるB2Cのビジネスでイノベーションを起こす人たちは皆、この「感情的な絆」を大事にしています。

フィル・ナイトの場合、従業員に関しても感情的な絆が重要でした。彼は、年に一度トップ30人ほどを集めてオレゴンの山奥で泊りがけのオフサイト戦略ミーティングを開いていました。終日のミーティングが終わるとディナーが用意され、その後の飲み会になると本音が出て相当の激論になったりするんですよね。そこでついフィルと口論となった人が、翌朝の会議ではいないんです(笑)。

ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 就職四季報プラスワン
  • 森口将之の自動車デザイン考
トレンドライブラリーAD
人気の動画
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
「睡眠不足を甘く見る人」が払う体への代償
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
保険営業 ノルマ未達なら「雇用契約打ち切り」の無惨
ストロング系チューハイの光と影
ストロング系チューハイの光と影
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
「電話嫌いの若者」が急に増えた意外すぎる理由
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
「未来を知る」ための読書案内<br>ベストブック2021

先を見通せない日々が続きますが、本を開けばアフターコロナ時代のヒントがあふれています。本特集では、有識者や経営者、書店員らが推薦した200冊を掲載。推薦数の多い順にランキングしました。あなたにとっての珠玉の1冊を探してみてください。

東洋経済education×ICT