このような「ひらめき」を支えるものは「志」だと思います。ナイキのフィル・ナイトが毎日本音で自分の夢に取り組み続けていたように、ベルナール・アルノーもひたすら自らの事業に「創造的な情熱」を持って集中して取り組んでいました。そして、彼らが掲げた夢に、世界中の人々が賛同して熱狂してしまったのです。
私はこの二人から、「世界の人がうなるような志を持て」と教えられたような気がします。過去をさかのぼれば、日本にもホンダ創業者の本田宗一郎氏や、ソニー創業者の盛田昭夫氏といった強い志を持ち、偉大な功績を残した経営者はいます。
実はフィル・ナイトはある年の株主総会で、全株主に向かってのビジョンを語り「私の夢は将来ナイキをソニーのような会社にすることだ」と結びました。世界の多くの人々にとって、ソニーは世界の夢を実現してくれた会社だったのです。
今でも盛田氏や本田氏を尊敬する外国の若者は多い。彼らが持っていたような確固たる志が、今後の日本企業に求められていると思います。
(撮影:梅谷秀司)
ジャイロ経営塾代表。1944年生まれ。上智大学経済学部卒業、シドニー大学経済学部修士課程修了。1970年日本精工�入社。ニューヨーク、トロント駐在後、日本ケンタッキー・フライド・チキン�(日本KFC)マーケティング本部長、日本ペプシ・コーラ副社長、日本KFC常務取締役、�ナイキジャパン代表取締役社長、LVMHグループのゲラン�代表取締役社長、取締役会長、ゲランSA(パリ本社)執行役員を歴任。2006年ワイ・エイ・パートナーズ�設立、代表取締役に就任。2008年ジャイロ経営塾を設立。複数の企業の役員・顧問、各地での講演、子供地球基金の理事、六本木男声合唱団倶楽部の団員・幹事など、広範な活動を展開している。
■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・経営者JP主催のセミナー「トークライブ・経営者の条件」との連動企画です。
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