2015年も日本株は上昇、波乱はいつ来る? 相場格言「未(ひつじ)年は辛抱」を裏読み
このため、米国債利回りが跳ね上がれば、米国株、米社債を含めて、総崩れになる恐れが生じる。
そうなれば当然米ドルも巻き込まれ、一気に米ドル安円高に振れるだろう。この時、日本株が無傷とはとても思えない。日本株の投資家にとって、辛抱が要求される局面になりうる。
やはり2015年も、「Sell in May」?
では、こうした波乱の時期がいつかと予想すれば、連銀の利上げが早くて6月と見込まれるため、その前の5月から市場が先取りして荒れてもおかしくない。それに、5月は英語ではMayであり、羊は「メ~」と鳴くではないか。
ただし、連銀の利上げも、米長期金利の上昇も、その理由は米景気が強いことだ。景気回復は企業収益の増加を通じて、最終的には株価上昇要因である。短期的な波乱が大きくなっても、長期的な米国株の上昇基調を揺るがすには至るまい。
市場全体が荒れた時に頼りになるのは、経済環境に左右されにくく、しっかりと利益を増やしていく個別企業への投資だ。産業別には、日本の高品質のモノ作りと相性がよい分野がよいだろう。
具体的には、まずインフラ輸出だ。橋梁、鉄道など、インフラ設備は安全性が高く、長期間使えないといけないからだ。また、来日する外国人観光客に評判が良い、目薬、肩こり薬など手軽な医薬品、化粧品や日用品(例えば小林製薬の「熱さまシート」や、象印マホービンなどのステンレス製飲料マグ、高機能炊飯器など)、大手家電メーカーの美容家電なども注目だ。
これらも、体に使う、あるいは飲食物に関連したものなので、日本製品の安全性・安心感が魅力の一つとなっている。
さらに、日本の企業経営の転換が注目されている。デフレに対応した守りの経営から、インフレに即した攻めの経営に変貌する企業はどこか、現金を抱え込むのではなく積極的に投資等に活用する企業はどこかと、外国人投資家の熱い視線が注がれている。
企業自らが転換する場合もあるだろうし、投資家からの提案で、経営が変わる場合もあるだろう。
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