2015年も日本株は上昇、波乱はいつ来る? 相場格言「未(ひつじ)年は辛抱」を裏読み

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そうした企業経営に提案する役目は、これまでは主に外国人投資家が担ってきた。

しかし「日本版スチュワードシップ」によって、国内機関投資家から経営への提言も増えるだろう。「スチュワードシップ」とは、運用機関は、企業との対話を通じて当該企業の経営改善に貢献し、株価を上げるよう努力すべき、というものであるからだ。

この背景にある考え方は、運用機関とは、そこに資金を預ける年金加入者や投資信託の購入者といった「主人」のために、忠実に働く「執事」(スチュワード)であるべき、というものだ。2015年は未(ひつじ)年であるだけに、執事(しつじ)の精神、スチュワードシップがカギになるのだろう。

掉尾の一振は、羊の尾と同様、短く切られてしまった?

さて、話を2015年の相場展開から目先の株価動向に変えると、先週の国内株式市況は、羊のように極めておとなしい展開だった。海外投資家がクリスマス休暇だと、これほどまでに動意が乏しいのかと、情けなくなる。年内、休場前の国内株価(12月29日、30日)も、大きくは動くまい。

「掉尾の一振」という言葉通り、大納会にかけての株価上振れを期待する声もある。しかし、そうした株価上昇があっても、今年は限定的なものにとどまりそうだ。

牧場で見る限り、羊のしっぽは、短いものばかりだが、実は生まれつき短いわけではないのをご存じだろうか。「断尾」(だんび)と言って、生まれてすぐに尻尾を切っているからだそうだ。

2014年の掉尾の一振は、羊のしっぽのように小さなものになりそうだ。まだ午年なのに、すでに相場は「未年」の様相だ。今週2日間、大納会までの日経平均株価予想は下値1万7800円、上値1万8000円と予想する。

馬渕 治好 ブーケ・ド・フルーレット代表、米国CFA協会認定証券アナリスト

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まぶち はるよし / Haruyoshi Mabuchi

1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米国マサチューセッツ工科大学経営科学大学院(MIT Sloan School of Management)修士課程修了。(旧)日興証券グループで、主に調査部門を歴任。2004年8月~2008年12月は、日興コーディアル証券国際市場分析部長を務めた。2009年1月に独立、現在ブーケ・ド・フルーレット代表。内外諸国の経済・政治・投資家動向を踏まえ、株式、債券、為替、主要な商品市場の分析を行う。データや裏付け取材に基づく分析内容を、投資初心者にもわかりやすく解説することで定評がある。各地での講演や、マスコミ出演、新聞・雑誌等への寄稿も多い。著作に『投資の鉄人』(共著、日本経済新聞出版社)や『株への投資力を鍛える』(東洋経済新報社)『ゼロからわかる 時事問題とマーケットの深い関係』(金融財政事情研究会)、『勝率9割の投資セオリーは存在するか』(東洋経済新報社)などがある。有料メールマガジン 馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」なども刊行中。

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