スズキ8年ぶりに軽自動車トップ奪還へ ハスラーのヒットでダイハツ工業を逆転
「4月以降、新古車が増えた。特に多いのはスズキ車だ。色など、カスタマイズが人気のハスラーは新古車では売りにくいので、今は扱いを禁止している」とある中古車販売会社役員は話す。
新古車とは、走行距離が十数キロメートルなど、新車に近い状態の中古車のこと。主に販売店がノルマ達成のために自ら陸運局で登録。その後、中古車市場に流される。
多用すると中古車の相場を崩すため、メーカーや販売店にとって中長期ではマイナスながら、短期でのシェア獲得には有効だ。2011年の大震災以降、新古車は減少していたが、増税反動減の市場縮小で新古車が増えている。
新古車で数量押し上げ?

もちろん、軽の新古車はスズキだけではない。「新古車の調達は原則、中古車オークション経由だが、足元ではメーカーの系列販社からの仕入れもある」(同)。
スズキは2006年に鈴木修会長(当時、現在は会長兼社長)が「シェアでメシは食えない」と発言。ダイハツの後塵を拝しても、乱売合戦を仕掛けることを控えてきた。
しかし、11月の中間決算発表の席で鈴木会長は、「ここ8年くらい2位に甘んじている。負けてよし、勝ってよしではない。負けたら勝つことを考えるし、勝てばもっと引き離す」と、再び勝負にこだわる姿勢をうかがわせていた。
スズキは12月22日に新型「アルト」を発表。最後の最後までダイハツを突き放しにかかる。鈴木会長の執念は実るのだろうか。
(「週刊東洋経済」2014年12月27日・1月3日号<12月22日発売>「核心リポート04」を転載)
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