もっともらしい言葉に潜む狙いや、保険商品の特徴をよく考えてみよう。
ムダな保険に入らないためには、保険の営業トークに隠された狙いや真実を知るのが近道だ。順に見ていこう。
「2人に1人ががんになる」
ひとごととは思えないリスクの高さを伝える言葉には要注意だ。がんに限らず、要介護状態や認知症になる人が増えている事実を伝える広告も同じだ。保険での備えが向いているのは、たとえば10代の若者が認知症になるようなレアケース。だからこそ安い保険料で手厚い保障を持てるのだ。少し考えればわかることだが、短絡的な判断をする人は少なくない。「加齢や長寿化とともに高まるリスクに備えるために」と積極的に販売されている商品は、「何かがおかしいのではないか」と疑いたい。
「今の保険をより充実した内容にしませんか? 保険料はほぼ同じです」
大手生保などで契約更新が近づくと、更新後の保険料の値上がりを理由に、現在の契約と大差ない保険料での見直しプランを提示されることがある。契約転換だ。
この場合、「見直し」といっても実態は解約と別の保険への入り直しだ。加入後の経過年数分、顧客も年を取っていて保険料は上がるはずだが、継続中の契約で貯まっているおカネが新契約の頭金として使われるため、値上がりを避けられたかのように見えるのだ。一般に大手の保険は同業他社より割高なので、見直しの際、大手にこだわる理由はない。
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