[ 長寿保険 ]
死亡保障を行わず、保険料払い込み期間中に解約した場合の返戻金の水準を低くするかわりに、長生きした場合の給付額を大きくした保険。現状は掛け捨て部分が少なく保険の相互扶助機能が発揮されていない。
「まだ保険とは呼べないのではないか」。各社の「長寿に備える保険」の内容を見た感想だ。
かんぽ生命の長寿支援保険「長寿のしあわせ」を例にする。

加入年齢は50〜70歳で、死亡保障を行わず、保険料払い込み期間中に解約した場合の返戻金の水準を低くする(上図①)かわりに、長生きした場合の給付額を大きくしている(同②)という。50〜65歳まで保険料を払い込む例では、年金20年分が保証され、最大30年間、94歳まで受け取ることができる(同③)。
「自分で年金の上乗せをしたい」と考える人は、「返戻率が100%を超えるのは90歳近くになってからだ(同④)」と計算し、「長生きしないと損をする」と思うかもしれない。
しかし、あえて損得で言うと、損は「大前提」だ。保険料から、保険会社の運営費などを引いた残りのおカネが、各種給付金の原資になるかぎり、加入者全体の収支はマイナスなのだ。
保険のよいところは「自助では難しいおカネが用意できる」ところだ。30歳の男性が、向こう10年間、1000万円の死亡保障を、月々1000円くらいの保険料で確保できるのはなぜか? 10年以内に死亡する確率が低いことに加え、生存している加入者に払い戻しされるおカネがないからだ。いわゆる「掛け捨て」になるおカネが、「相互扶助」と説明される保険ならではの利点を支えている。
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