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ライフ #保険の罠

預貯金との比較は厳禁 貯蓄性保険

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  • 後田 亨 オフィスバトン「保険相談室」代表
イラスト:河南好美

[ 貯蓄性保険 ] 

個人年金保険や学資保険など。自らの老後や子どもの進学時など、資金需要発生時に合わせ、給付金がある。低金利・中途解約時の元本割れリスクなどを考慮すると、現状、検討に値するほどの商品は見当たらない。

保険には不測の事態に備えるほかに、貯蓄や運用の目的で案内される商品もある。たとえば個人年金保険や学資保険は保険料から積み立てられたおカネを原資として、老後や進学時に年金・祝金・満期金などが給付される。

保険会社や保険代理店が貯蓄性保険を勧める理由として挙げるのは、①長期的には預金よりおカネが増える、②計画的な資金準備が可能になる、③強制貯蓄機能がある、④生命保険料控除が受けられるといったところだが、これらには疑問がある。

まず保険でのおカネの増え方について、預金との比較は厳禁だ。いつ引き出してもマイナスにはならない預金と保険とでは、リスクがまったく違うからだ。また貯蓄性商品の「返戻率」(「遠い将来の解約返戻金・満期金・年金総額など÷保険料総額×100」で算出)を額面どおりに受け止めるのも間違いのもとだ。

額面どおりに受け取れない

たとえば30歳の女性がある保険会社から取り寄せた「個人年金保険」の設計書によれば、65歳時に年金を一括で受け取る場合、返戻率は104%だという。

この保険では生命保険料控除による税負担軽減効果を加味しても、22年間、元本割れが続く。その間、物価が上がればおカネの価値は下がるし、金利上昇局面でほかの金融商品に乗り換える際も、元本割れで損失を被ることになるのだ。

加えて、ある契約が30年超続くという前提も疑わしい。個人年金保険の解約失効率は例年3%程度だ。100件ある契約が1年後には97件になり、2年後には94件(97件の97%)になる、という計算を続けていくと、35年後に残るのは100件中34件だ。解約失効率が年4%なら35年後に24件まで減少する。「30年くらい続く契約は実際には3割もないと見ています」と語る保険数理の専門家がいることも付記しておく。

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