今年1月、中国海軍(人民解放軍)の原子力潜水艦が、尖閣諸島沖の接続水域を潜水(潜没)航行。その後、公海上で浮上し、国旗を掲揚して航行した。
国際法上問題のない無害通航であるが、日中両国が神経戦を繰り広げている海域だけに、中国側の示威行動が一段とエスカレートしていることが印象づけられた。
太平洋への進出。それは中国海軍にとって大きな課題であり目標である。中国沿岸から太平洋に出るためには、日本の九州から台湾、フィリピン、ベトナムに至る東シナ海─南シナ海の海域を通らねばならない。
中国海軍の父と呼ばれる故・劉華清(共産党中央軍事委員会副主席)は1980年代から太平洋上での戦力展開の目標ラインとして、二つの列島線を提唱してきた。中国海軍の太平洋での自由な展開を目指したものである。
南シナ海の南沙諸島を中心にした海域では、中国は九段線(九つの破線)に基づく歴史的権利も主張している。第一列島線は南沙諸島周辺では九段線に重なる。九段線も中国独自の主張だが、海洋権益の主張の骨格を成すものだ。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら