中東地域は、イスラム教と国家・社会体制が密接に結び付いている。宗派の対立が戦乱を生むこともある。スンニ派、シーア派の教義上の相違点や両派の勢力争いについて解説する。
2大宗派の相違点 血統や法学めぐり大きな断絶
世界のイスラム教徒の数は約16億人で、世界人口の約23%を占める。キリスト教の約31%に次いで信者が多い。
米国調査会社の予測によると、イスラム教は2100年には信者数でキリスト教を上回り世界最大の宗教になる。アジア、アフリカ諸国での出生数が多いうえ、欧米で改宗者が増えているからだ。
世界のイスラム教徒の約90%がスンニ派だ。シーア派は約10%。ただし、中東に限ればシーア派はイラン、イラクを中心に多数の信者がおり、両派は拮抗する。
スンニ派の教義は、クルアーン(コーラン)とハディース(預言者ムハンマドの伝承)というスンナ(慣行)に従うことである。
アッラー(イスラムの唯一神)はスンナで決められている善行と悪行の数を個人ごとに記録していると考える。いわば善行のポイントカードようなものと考えるとわかりやすい。来世に行くとき、善行と悪行の数の差で天国行きか地獄行きかが決められる。
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