ドイツの東端に位置する首都ベルリンは、東欧やウクライナあたりまで含めた欧州全体からすると、西欧と東欧の中心に位置しており、ドイツは「中欧」というのが自然である。ドイツは西欧であると同時に中欧であり、欧州各国にとって東欧はドイツの裏庭といった感覚なのである。
ドイツにはDBシェンカーやDHLといった世界的なロジスティクス企業が集積しているが、これも地理的な特徴を生かしたものだ。すなわち、ニューヨーク、北京とも時差は同じ6時間で、二つの超大国と同じ時間差にあることが、有利な環境を作り出している。
首都がどこにあるかが、一国の政治と外交の運命を左右することがある。この地政学上の命題はドイツについてよく当てはまる。
第2次世界大戦後、ドイツ再統一に向けての道のりの中で、ドイツが求めてきたのは欧州とともに発展する「欧州のドイツ」であった。アデナウアー、ブラント、シュミット、コールなどの歴代の優れた首相はみな欧州主義者であった。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら