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学校の問題は社会問題 教員だけでは解決不能 Interview|藤原和博●奈良市立一条高校校長

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複雑な問題を抱える学校の教員たち。解決策はあるのか。民間企業出身の校長として学校改革に力を注ぐ藤原和博・奈良市立一条高校校長に聞いた。

奈良市立一条高校校長 藤原和博(ふじはら・かずひろ)●1955年生まれ。リクルートを経て2003〜08年に杉並区立和田中学校の校長を務める。16年から現職。著書に『10年後、君に仕事はあるのか?』など。(撮影:今井康一)

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──なぜこんなにも教員は忙しいのでしょうか。

まず、学校で起こる問題は社会問題であるということを認識してほしい。社会問題はガードがいちばん弱い子どもたちに表れる。

その中でいちばん根深い問題は、子どもたちが多様化し、家庭も複雑化していることだ。

たとえば軽度発達障害の子が5人いたとする。それぞれ学習障害であったりアスペルガー症候群であったり症状が違うから、十把ひとからげに対応できない。家庭の複雑化についても虐待や離婚が増えていて、保護者が問題を抱えていると、それが子どもに出てくる。

これはもはや教育問題ではない。福祉や医療、警察、教育などを全部つなげて社会的な解決を図る必要がある。もう教員だけで学校の経営はできないんですよ。だから外部の力を借りる必要がある。

それが文部科学省の言う「チーム学校」(学校や教員が心理や福祉などの専門スタッフと連携・分担する体制)という姿だ。それから僕が雛形を作った学校支援地域本部(現在は地域学校協働本部)は全国に広がっていて、先進的なところはコミュニティスクールとして地域社会と教員が学校を共同経営している。大事なのは学校を孤立させないことです。

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