「都道府県対抗、市町村対抗、そして学校対抗の競争に終始している。学力テストのための勉強に授業時間を割くのは本末転倒だ」。秋田県のある教員はそう不満を口にする。
文部科学省は8月28日、今年度の「全国学力・学習状況調査」(以下、学力テスト)の結果を公表した。学力テストの対象は全国の国公立校、および参加を希望した私立校に通う小学校6年生と中学校3年生だ。
秋田は毎年全国トップクラスの成績を収めており、成績を上げたい他県から「秋田詣で」が相次ぐ。成績がよかったある学校には年間60回の視察があったという。
ところがその実力が本物なのか判然としない。秋田県教職員組合が実施したアンケートによれば、今年度は県内の小学校の92.2%、中学校の74.2%が対策を実施していた。普段の学習で身に付いた力が発揮されて好成績につながっているのか、あるいはテスト対策によってカサ上げされたものなのか、不透明なのだ。
「そろそろやめたらよい。学力テストに関する労力は大きい。多忙化につながる」
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら