「管理職になりたくない」と考える人が増えているのは、民間企業だけではないようだ。東京都の小中学校の教育管理職(副校長)選考の合格倍率は、ここ数年1.1倍前後。受験者数が合格予定者数に満たない年も多い。
管理職を目指さない理由として一番に挙げられるのが、「子どもと接する時間が少なくなる」こと。そのほかにも、「業務量や責任が重い」、「学校管理には関心・興味がない」、「自分は向いていない」と考え、副校長の職を回避する教員は多い。

副校長の仕事の範囲は広い
実際、いじめや不登校など学校を取り巻く問題が複雑になり、保護者の要望も変化する中で、副校長の業務内容は多様化している。教職員の人事管理や指導に加え、スクールカウンセラーや給食調理員など教員以外の取りまとめも担う。地元自治体や町内会、教育委員会、警察と連携を図る際の要となるのも副校長だ。
退職した校長・副校長職経験者などを再任用することで、今のところ欠員は出ていない。だが、副校長確保への対応は待ったなしの状況だ。
東京都では、主任教諭歴2年以上、44歳未満で受験できる「A選考」で、若手にも管理職にチャレンジする機会を与えているが、2017年度の選考からさらに枠を広げた。
「B選考」は、これまで主幹・指導教諭で39歳以上54歳未満を対象としていたが、主任教諭であっても経歴2年以上、46歳以上54歳未満であれば受験できるようになった。また、主幹・指導教諭歴が合わせて3年以上で50歳以上58歳未満のベテランが対象の「C選考」は、推薦制に加え一般受験での申し込みも可能になり、年齢も60歳まで拡大された。
都内12校ではモデル事業として、調査などの事務作業や電話応対などで副校長をサポートする非常勤職員を設置。現場の士気を高めるため、管理職手当も今年度から1カ月8400円上乗せし、8万0700円とした。
東京都教育庁人事部教職員任用担当の相川隆史課長は、「これまで、管理職のロールモデルを示すことができていなかったのではないかという反省がある」と話す。
地区の教育委員会を通して、育児が一段落した女性教員など1人ひとりに当たって、受験の呼びかけも地道に行っている。今後は、管理職のやりがいや仕事の魅力なども発信し志願者の掘り起こしに力を入れる。






















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