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三菱と日立の深まる苦悩 進むべきか退くべきか、原発御三家の葛藤

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建設費用の増加や工事遅れで原発メーカーの採算は厳しい

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「東京電力の事故を契機に日立、三菱重工、東芝の原子力事業を共同持ち株会社で運営していかないといけない。そのためには志賀(重範)さんの知見がいると考えた」

3月30日に開かれた東芝の臨時株主総会。小林喜光・社外取締役は2016年に志賀氏を会長に指名した理由を問われてそう答えた。

日本に3社ある原発メーカーの再編の必要性は過去に何度も言われてきたが、東芝危機で公然と叫ばれるようになった。エネルギー政策に詳しい与党議員も「国が主導していかないといけない」と意欲を見せる。

しかし、再編相手の三菱重工業、日立製作所の原子力事業は順調なのか。再編に現実味はあるのか。

最悪の事態は回避、それでも苦難の三菱

3月14日、日の丸原発メーカー2社の明暗がくっきりと分かれた。

東芝が16年4〜12月期決算発表を再延期した一方、三菱重工は米国の電力会社から訴えられていた約7000億円の損害賠償請求を国際仲裁機関が棄却したと発表。三菱重工の支払額は141億円で済んだ。

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