中国の台頭によって、アジア太平洋地域の情勢が曲がり角にきている。地域内でのパワー分布に変化が生じているからだ。そして、米中それぞれの国家戦略にも変化の兆しが見える。だが、その先には、日本が必ずしも楽観できない風景が広がっているかもしれない。
2015年、日本政府は「平和安全法制(安保法制)」を成立させた。同法制を議論する際、日本政府は「日本の『安全保障環境』は、ますます厳しさを増している」と強調している。
政府は直接の言及を避けようとしたが、多くの日本人は、その原因が中国にあるという印象を持っているだろう。日本が中国の言動に敏感なのには、「脅威の近接性」も関係している。自国に近い相手に対しては脅威認識が高くなりがちなのだ。
それを差し引いても、日本が中国の動向に敏感になるのは正しい。しかしその理由は、日本の領土に対する軍事攻撃といったレベルのものではない。中国は、現在の国際秩序そのものを変えようとしているのだ。
この記事は有料会員限定です。
ログイン(会員の方はこちら)
有料会員登録
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら