日本総合研究所 会長 寺島実郎
日本は中東に石油資源の8割を依存し、そのシーレーン(海上輸送路)を米国の軍事力によって安定化してもらっている。
そうした状況下、日本と米国のエネルギー関係では、昨年末に米国の原油が輸出解禁になったことにまず着目すべきだ。
▶Point 1
日本は米ロのどちらを選ぶのか迫られている
21世紀に入り、シェールガス・オイル革命が起きた。北米大陸の足元から天然ガスと原油が噴き出て、米国はついに2014年に天然ガスでも原油でも世界一の生産量を誇る国となった。その米国が方向転換し、40年間凍結していた原油の輸出を解禁し、すでに日本にも米国の原油が入り始めている。
この背景を読み解くためには、「日・米・ロのトライアングル」があることを知らなければならない。今、世界のエネルギー地政学には「ロシア・ファクター」が外せないからだ。
米国に次ぐ世界2位の原油生産国はサウジアラビアで、第3位がロシアである。ロシアは、「石油モノカルチャー」という言葉がこれほど当てはまる国はないぐらい、外貨を稼ぐ手段が化石燃料しかない国家だ。
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