
2014年4月に日本で行った共同会見。共同声明では日米同盟を「グローバルな協力の基盤」とした(撮影:日本雑誌協会(JMPA))
[INTERVIEW]京都精華大学 専任講師 白井 聡
自分の論理を構築して対米従属から脱却せよ

しらい・さとし / 1977年生まれ。早稲田大学卒業。一橋大学博士。専門は政治学・社会思想。2015年から現職。『永続敗戦論』で第35回石橋湛山賞。(撮影:梅谷秀司)
米大統領選挙の結果がどうなるかという議論や報道は、いつも本質を欠いている。本来、自分たちのあるべき姿のイメージがあって、それに対して相手はどう出てくるだろうかという話であるはずが、相変わらず「米国はどうなる」という話ばかりだ。日本自身のビジョンがまったく議論されていない。
私が主張し続けてきた「対米従属」の問題は、実は外交問題ではない。日本国内の問題なのだ。われわれが日本のあり方を考え、それを実現する方途が問われるべきものだ。
では、なぜ異様な「対米従属」「対米追従」になってしまったのか。一つは、自分たちで解決すべき日本国内の問題を、「外圧」によって解決してきたからだ。外交も内政も、自分たちで構造的問題を解決しようとせず、結局「国際的要求だから」といって解決してきた。小沢一郎氏はかつて、外圧頼りの問題解決を「非常に危険だ」と書いていた(『日本改造計画』)が、この「危険さ」がこの10〜15年で表面化してきた。だが同時に、それは寄生地主制の改革のときと同じパターンなのだ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら