人類にとって未知の領域であるのがヒトの脳である。ところが近年、脳科学の進歩によってその仕組みが解明されつつある。脳の仕組みとその活用、そして脳の病気について探求してみよう。
▶▶PART 1 脳複雑な仕組みとその活用法
脳科学はここまで進んだ!
記憶の司令塔 海馬を解明する
[ポイント1]
短期記憶、長期記憶など種類により形成・維持される場所が異なる。海馬の場所細胞(ニューロン)が発火して空間を把握している。
[ポイント2]
睡眠中もニューロンは発火するため、記憶定着に睡眠が重要。ニューロンには記憶痕跡があり記憶が形成されることが最近わかった。
脳にさほど詳しくない方でも、その内部は大脳や小脳、脳幹などに分かれていることは、何となくご存じでしょう。このうち小脳は、姿勢の維持など体全体のバランスを整える役割を担います。また脳幹は視床や視床下部、延髄などから成り、自律神経系の制御や呼吸、血管の収縮と拡張など、基本的な生命活動をつかさどっています。
高等動物になるほど、発達しているのが大脳です。人間の大脳の表面は厚さ3mmほどの大脳皮質で覆われており、さらに大脳皮質のうち、大脳新皮質が認知、思考、判断といった高度な知的活動を支えています。一方、大脳のより内側にある大脳辺縁系(海馬、扁桃体などで構成される)は、本能や情動、意欲などにかかわっています。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら