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脳卒中の"見えない障害"、社会復帰は可能か 後遺症抱えるルポライターと作業療法士が対談

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脳卒中の後遺症は、身体的なものにとどまらない。多くの患者は、高次脳機能障害(以下、高次脳)に苦しんでいる。自分の行動や感情を適切にコントロールすることが難しくなるが、一見するとわかりづらいため“見えない障害”と呼ばれる。

作業療法士の峯尾舞氏は、高次脳に苦しむ人たちの就労支援に力を入れている。一方、脳梗塞発症から1年半が過ぎても後遺症を抱えるルポライターの鈴木大介氏。二人が病気後の復職の難しさについて語った。

鈴木 脳卒中で体にマヒが残ると、ほとんどの人が高次脳になっているという印象があります。

峯尾 経験的には、9割近くの方々に高次脳が出るようです。でも医療機関では体のマヒがないと「症状が軽い」となり、比較的早く退院できてしまう。ほかの病院で高次脳と言われないまま復職し、できないことが多くて上司に「大丈夫か?」と言われて相談に来た人もいました。

鈴木 マヒが軽いとすぐに日常生活に戻れるけれど、その段階では高次脳の程度が判断しづらい。仕事に戻って、初めて露呈する人もいるのでは? 実際、本人や家族の認知率もそうとう低く感じます。

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