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そして私は脳卒中(脳梗塞)の伝道師になった 復職後も活躍「後遺症と上手に付き合うコツ」

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脳梗塞発症から12年。三井住友海上あいおい生命保険の営業マンだった川勝弘之さんは、病気をきっかけに脳卒中(脳梗塞)の伝道師となった。これまで170回以上のセミナーに登壇し、延べ2万人に体験を語ってきた。復活までの道のりは、手探りの連続だったという。

川勝さんは脳梗塞の体験談を延べ2万人の前で語った

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営業成績がよくポストにも恵まれてきた川勝さんは、48歳のときに脳梗塞を発症。後遺症として左半身マヒと構音障害(ろれつが回らない)が残ったが、わずか2カ月後に職場に戻った。

周囲は腫れ物扱い

働き始めた川勝さんに対し、上司が戸惑い、困っているのは明らかだった。部下から何げなく言われた「何かキレがないですね。優しくなった」という言葉には落ち込んだ。後遺症で反応が遅くなり、以前のように振る舞えなかったのだ。電話に出ると言葉が出ない。会議で発言を求められても考えをまとめられず、支社長が務まらないことは明らかだった。

復職から4カ月後、東京本社に異動となった。このときの通勤の大変さは想像以上だった。横浜市内の自宅からは、職場まで電車で1時間近くかかる。マヒを抱えた足では満員電車に乗れず、始発駅まで戻ると片道2時間を要する。このため地下鉄で新横浜まで移動し、東京まで新幹線で通勤することにした。駅から会社まではバスを利用し、計1時間40分だ。

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