脳卒中とは、脳への血流が途絶え、脳の神経組織が壊れることで言語障害や運動マヒなどを起こす病気である。脳の血管が詰まったり破れたりすると、その部分の血流が途絶えてしまう。素早く処置しなければ神経細胞が死んでしまい、その部分がつかさどっていた機能が失われるおそれがある。
日本では脳卒中の7割以上を脳梗塞が占め、欧米では9割以上を占める。脳卒中=ほぼ脳梗塞という状況であり、日本もこの比率に近づいていくと考えられる。
予防や治療が進んだことで、脳梗塞の発症率や死亡率は減っている。しかし死亡率の低下と高齢者の増加に伴い、患者の総数は少しずつ増えている。完全に回復した人、あるいは介助を必要としない自立可能な患者は3分の1程度にとどまる。
最近は若い人の脳梗塞が増えている。背景には、食生活の欧米化による生活習慣病の蔓延がある。
主な危険因子は、①高血圧、②糖尿病、③脂質異常でLDLコレステロールが高い、あるいはHDLコレステロールが低い、④喫煙、⑤大量飲酒、⑥不整脈の一つである心房細動、⑦メタボリックシンドローム、⑧慢性腎臓病となっている。すべてに対処できれば、理論的には8割が予防可能とされている。働き盛りの中年男性の多くは血圧やコレステロールが高く、脳卒中予備軍といえる。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら