日本の政府債務残高は1000兆円を突破し、対GDP(国内総生産)比で230%を超えました。これはギリシャの200%を上回り、世界最大の借金国となっています。平時にもかかわらず、これだけ大きな債務が積み上がったのは、人類の歴史上おそらく初めてのことではないでしょうか。
その原因は歳入、特に税収の少なさにあります。日本の2016年度の歳出額(予算ベース)は96.7兆円と、対GDP比で約2割。諸外国との比較でも決して大きいわけではありません。歳出と同じ額が歳入になりますが、このうち35.6%が国債発行による調達で、税収は約6割(57.6兆円)にとどまります。
税収が少ないのは、政府が歳出の拡大に合わせて必要な増税をしてこなかったからです。1990年代以降、歳出は増え続けました。大半は高齢化に伴う社会保障費の増加によるものです。政府は景気対策で減税をしたり、経済の減速で税収が落ち込んだりしたのに、景気が上向いた後も積極的に税収を増やそうとしませんでした。これまでの消費税率の引き上げも決して十分ではありませんでした。もともと15年10月に8%から10%へ引き上げられる予定でしたが、2度の延期で19年10月まで後ろ倒しになっています。
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