2%の物価上昇率を目指し、日本銀行が質的・量的金融緩和を開始してから約3年半が経過した。大規模な金融緩和による円安から輸入物価が上昇したこともあり、日銀が注視する消費者物価指数(CPI、生鮮食品とエネルギーを除く)は2015年12月に前年比でプラス1.3%まで上昇していた。
だが、年明け以降は上昇トレンドが明らかに崩れている。昨年値上げした製品の価格が今年は据え置かれるケースもあり、前年比の価格押し上げ効果が剥落した格好だ。また、家計調査に代表される各種の消費統計が低迷しているのは、十分な賃上げが行われない中で物価上昇が進んだ影響ともいえるだろう。
昨今の物価上昇は、円安の影響を強く受ける食料品の値上げが大きな要因だった。当社は800店舗以上のスーパーなどから得られる販売価格や販売数量に関するデータから物価指数(日経CPINow・T指数・下図)を作成している。このデータは食料品の価格が中心で、日次で作っているため、毎月下旬に前月分が公表される総務省のCPIに比べて、早く具体的に足元の物価動向を分析できる。

特売が価格下押し 根強いデフレマインド
T指数(7日移動平均)で見た場合、2月24日の前年比1.90%をピークに伸び率が低下した。上昇率の鈍化が顕著になったのは4月以降で、牛乳やヨーグルトといった乳製品やインスタントコーヒーなどの値上げ効果一巡が大きかった。そして、8月16日には、15年4月9日以来となるマイナスを記録。これは輸入小麦の政府売渡価格改定に伴うパン類の価格低下に加え、即席カップ麺などの、価格を下げやすく消費者が頻繁に購入する品目の値下げが影響している。
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