有料会員限定

GDP成長率で「幸せ」を測ることはできるのか 安倍政権は非常時対応から構造改革に転換せよ

✎ 1〜 ✎ 19 ✎ 20 ✎ 21 ✎ 22
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小

第一線のエコノミストがズバリ解説

景気の現状はいい? 悪い?

小峰隆夫 法政大学大学院教授
こみね・たかお●1947年生まれ。69年経済企画庁(現内閣府)入庁。調査局長など経て、2003年から法政大学に移る。現在は同大大学院政策創造研究科教授。(撮影:梅谷秀司)

特集「経済の新常識」の他の記事を読む

景気を読む最善の指標は、GDP(国内総生産)です。GDP統計は正式には国民経済計算といいます。日本経済がどう動いているか(=景気)だけでなく、その規模や構造を整合的につかむことができる。今回はGDP統計を通じて、日本経済の現状や課題について考えてみましょう。

GDPには三面等価の原則があります。生産(産業構造)、所得(分配構造)、支出(需要構造)のいずれから見ても、GDPは同額になるという原則です(図表2)。

これは、考えてみると当たり前のことです。たとえば象が東に向かって時速10㌔㍍で歩いている。これを上から見ても、横から見ても、前から見ても、象が東に向かって歩いていることは変わらない。日本経済も一つしかありません。それを生産・所得・支出という違った角度から見ているということです。

これら三つは相互に関連します。企業の生産が増えたので、雇用者の賃金が増える。賃金が増えたから消費が増える。企業は収益が増えて、投資に回そうとするかもしれません。こうした循環が続くと、景気が自律的に回復した、と評価できるようになります。

関連記事
トピックボードAD