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新 出世の条件 役員になる人、課長止まりの人

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ガバナンス強化や働き方改革に揺れる日本企業。ミドルは負担増で疲弊し、ポストも減少傾向だ。一方で経営者養成に向け早期選抜が広がり、出世をめぐる常識は激変している。

(本誌:野村明弘、木皮透庸、中山一貴、菊地悠人、東出拓己、秦 卓弥、又吉龍吾、真城愛弓、遠山綾乃、田嶌ななみ、井下健悟、西村豪太)

今も昔も、日本の企業社会で課長といえば管理職の入り口だ。一プレーヤーから、部下を束ねてチーム運営を担う立場に変わり、マネジメントの能力が問われる。

現在は大手電機メーカー・テコットの会長を務める島耕作が課長に昇進した1983年当時、このポストに就くのは大きな喜びだった。昇進の内示を受けた島は通勤電車の中で「34歳の課長なら同期と比肩しても早いほうだ……悪くない」と笑いをこらえきれなかったほどだ。

島は人との出会いに恵まれた課長時代を転機に、社員30万人を擁する大企業のトップに上り詰める。これは30年以上にわたり連載が続く人気漫画『島耕作』シリーズの話だが、主人公の歩みに一定のリアリティがあるからこそ、作品は多くの人に受け入れられたのだろう。原作者の弘兼憲史氏が「目の前の仕事を着実にこなしていったら、最後に社長になった」と言うとおりだ(→関連記事へ)。

幹部候補の早期選抜が日本企業でも広がる

ただ、島の課長時代(83~92年)は日本経済の絶頂期とほぼ重なる。一方で現在の課長のほとんどはバブル崩壊後の入社だ。島のようなよい波には乗れそうもない。

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