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島耕作はなぜ課長で終わらずに出世できたのか 漫画家・弘兼憲史が推すのは調整型リーダー

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『課長 島耕作』の連載が始まったのは1983年。日本経済と電機産業の絶頂期とその後の凋落を背景として、団塊世代の主人公の出世物語を活写してきた。社会の現実を踏まえた作風で知られる弘兼憲史氏は、日本一有名なサラリーマンの歩みに何を託したのか。

ひろかね・けんし●1947年山口県岩国市生まれ。早稲田大学卒。松下電器産業勤務を経て74年に漫画家デビュー。代表作に『島耕作』シリーズのほか『黄昏流星群』『加治隆介の議』など。(撮影:梅谷秀司)

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『島耕作』シリーズは、こんなに長く続くとは思っていなかった。そもそも最初は「ページが空いているから読み切りで何か描いて」という依頼に応じて書いた作品だ。内容はSFでもホラーでもよかったのだが、松下電器産業(現パナソニック)出身という自分の背景を生かすという意味で、大企業内部の人間模様を描いてみた。これが当時の編集長の目に留まり、連載が決まった。

この時点では、日本のサラリーマン社会を描こうなどという大きな意図があったわけではない。連載を始めてからキャラクターが自然に動きだした感じ。島耕作は私と同い年だが、スタート時点では35歳で課長に昇進する直前。連載10年目になって「もう45歳だから、そろそろ部長にしないと」ということで『部長 島耕作』が始まった。

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