「在庫が多い理由は?」「総資産回転率の差はどこから来ているのかな?」──。6月21日の午後、ファスナー大手のYKK本社の会議室で次世代リーダーを育成する「価値創造塾」が開かれていた。
メインの講師を務めるのは一橋大学大学院特任教授の伊藤邦雄氏。この日のテーマは「財務分析」で、YKKグループと有力アパレル企業の財務内容の比較分析をまとめ、塾生がプレゼンテーションした。立ったまま説明に耳を傾ける伊藤教授は時折、短い言葉で質問を投げかける。塾生が答えに窮する場面もあり、会議室は緊張感に包まれていた。
座学では終わらない。後半戦がよりハードに
YKKグループは、中核であるファスニング事業と住宅・ビル向けの窓やサッシを主力とするAP(建築用工業製品)事業を世界71の国と地域で展開している。海外進出は1959年と日本企業の中でもかなり早く、売上高は7000億円を超すグローバル企業だ。
次世代リーダーの育成プログラムが始まった経緯について、YKKの人事部長である亀山秀夫執行役員は「昔は海外事業が伸びる中で、その現場に若い人材を送ることで育成していた。その後、グローバル化が進み会社の規模がより大きくなり、部分ではなく全体を考えて引っ張っていけるリーダーを育成していこうと考えた」と説明する。
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