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なぜなのか?を問うのが歴史 過去を学べば答えがある

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INTERVIEW [大人気の作家が語る日本史] 作家・歴史家 加来耕三

かく・こうぞう●1958年生まれ。奈良大学文学部卒。学究生活を経て作家に。旺盛な作家活動の傍ら、テレビ・ラジオ出演もこなし歴史案内人として人気。(撮影:今井康一)

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歴史を知るのは楽しいですよ。人間はどんなに努力しても一つの人生しか生きられません。でも、歴史の世界には無数の人生があります。

たとえば徳川家康が豊臣家を滅ぼした大坂の陣に興味があるなら、大坂の陣だけではなく、応仁の乱から徳川幕府成立までの本を5冊、読んでみてください。すると合戦や武士の歴史がわかる。歴史の時系列とその時代の同種の出来事を知ると、歴史上の人物の立ち位置が見えてきます。

そして性格、年齢、あるいは出身などを自分に置き換えて想像してみてください。その時代に生きていたら、自分はどんなことをしただろうかと。歴史はもう答えが出ていますから、もし自分が大坂城にいたらどんな運命が待っていたのかもわかるわけです。

そのためには、できるだけ虚構を排した歴史を見なければなりません。司馬遼太郎さんの『竜馬がゆく』は、坂本龍馬を偉人として描いていますが、歴史を冷静に見れば、桂小五郎、勝海舟、西郷隆盛の功績を混ぜたような話になっています。司馬文学は面白いのですが、虚構の物語と歴史学はまったく違うことを知っておいてほしいと思います。

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