有料会員限定

「退位した方が楽になる」自らの戦争責任を自覚 解説(7) 昭和天皇の戦争責任

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4 ✎ 最新
拡大
縮小

1941年12月の太平洋戦争の開戦、そしてそれが足かけ5年の長きにわたり、内外に多大な犠牲を出して日本の敗北に終わったことについて、昭和天皇(1901〜89)に責任はあったのか。

説は大きく二つに分かれる。一つは政治的責任があるのは明らかだとする説。大日本帝国憲法第4条が、天皇を「元首にして統治権を総攬(そうらん)し」、つまり国家の最高責任者と定めていることが根拠である。もう一つは、形式的にはともかく、政府・軍部が合意した場合、天皇はそれを受け入れるのが慣例だったので、天皇に実質上の政治的な責任はないという説である。

いったいどちらが正しいのだろうか。

日本政府は、実質責任なしという説を敗戦直後から一貫してとっている。しかし、大日本帝国憲法第11条に「天皇は陸海軍を統帥す」と、天皇に軍隊の最高指揮権があることが明記され、憲法の規定上、軍隊の指揮について輔弼(ほ ひつ)する機関は存在しない。日本軍の作戦本部として、陸軍に参謀本部、海軍に軍令部があったが、いずれも法的な位置づけとしては天皇に軍備計画や作戦計画を提案するだけで、提案を実施するかどうかの判断は天皇の専権事項だった。

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
学び直し日本史
Can you explain? 英語で説明できる?
外国人によく聞かれる日本の文化と歴史
解説(7) 昭和天皇の戦争責任
解説(6) 日本軍 失敗の本質
現在は4度目の人口停滞期
人口から読む
解説(5) 満蒙開拓の経済的損得
解説(4) 貨幣に見る幕末の経済
データを読む
解説(3) 『葉隠』と日本人の姿
解説(2) 中世・近世のゼニ事情
解説(1) 天皇、日本国の起源
面白いのはやはり信長
過去を学べば答えがある
人、事件、思想で学ぶ日本史50冊
博覧強記のカタヤマ教授によるブックガイド
今の歴史教科書はこう教えている!
一から理解する!日本史講座
人気講師・伊藤賀一の
いっきに学び直す日本史 ここがポイント2
いっきに学び直す日本史 ここがポイント1
日本史のツボがわかる!
歴史の流れを理解する7つの講義
学び直しの日本史
学び直し日本史
ビジネスマンのための
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内