インド新戦略車はトヨタを救えるか(下)

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カローラでは5割だった現地調達率が、エティオスでは生産開始時点ではや7割に。13年までにはエンジンやトランスミッションのインド生産が始まる計画で、そうなれば現地調達率は9割にも及ぶ見通しだ。

バンガロール市に本社を置く地場資本の自動車部品メーカー、NTTFインダストリーズ(NTTFI)もエティオスの設計に参画し、部品を納入する企業の一つである。

TKMとの取引は以前からあったが、エティオス向けで初めてトヨタとの共同設計を経験した。請け負っているのはインパネ補強部品の骨格部分だ。通常はパイプの組み合わせでつくる補強部品を、プレス成形でつくる手法を提案し、採用された。

同社は元請けであるフランス系部品大手、フォーレシアを経由してTKMに納入する。NTTFIは年商10億円程度の小規模なメーカーで、エティオスの部品需要拡大への期待は大きい。すでに同社の工場には、初期生産7万台の2倍にも対応できるだけのスペースが設けられている。N・レグラジ社長は「グローバル企業とのビジネスを経験すると、自分たちの技術レベルも上がっていくことを実感する」と率直だ。

トヨタの“覚悟”を示すような事例もある。エティオスのシート生産は、タタ・ジョンソンコントロールズ(TJC)という地元企業が請け負った。地元財閥のタタグループと、米国の部品大手ジョンソンコントロールズとの折半出資会社である。

同社は、通常シートの生地に施されているラミネート加工を省くことなどで、コストを大きく下げることに成功した。試作提案を繰り返し、07年に受注を獲得したという。これは、トヨタグループ各社には衝撃だった。トヨタのバンガロール工場の隣には、グループでシート製造を担当するトヨタ紡織も工場を設けていたからだ。にもかかわらずTJCが選ばれたのは、「コスト削減のためには系列にこだわらない」という、トヨタ側の意思表示といえる。

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