電車内で外国人観光客と乗り合わせることは、今や日常の出来事だ。円安や観光ビザの発給要件緩和などを追い風に、その数は増加の一途。日本政府観光局によると今年は1~9月に1448万7600人が来日し、過去最高を記録した昨年の年間客数(1341万人)をすでに上回っている。
こうした観光客の主要な移動手段となるのが鉄道だ。鉄道各社も対応を強化している。多言語対応の案内板や、路線図に観光地を併記したパンフレットを作成。全国のJR線が乗り放題になるジャパン・レール・パスをはじめ、外国人観光客専用の乗車券の種類も増やしている。
が、受け入れ体制はまだまだ十分とはいえない。実際の外国人の動きを分析すると、鉄道会社が強化すべき点が浮かび上がってくる。
そもそも外国人は東京都内のどこを訪れているのか。内閣官房と経済産業省が提供するRESAS(リーサス、地域経済分析システム)のデータを基にして作成したのが図1だ。1キロメートルのメッシュ単位で、外国人がどこに、何人滞在していたかを色で示している(調査期間は2014年11月~15年4月)。赤は外国人が集中している地域、青は少ない地域を示す。
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