JR東海が進めるリニア中央新幹線は、建設費高騰により完成時期が当初計画から遅れる可能性が出てきた。
2027年の開業を目指すリニア中央新幹線(品川─名古屋間)の総延長は286キロメートルで、9割弱が地下トンネルだ。特に南アルプスの山岳トンネル(延長約25キロメートル)は、土かぶり(トンネルの掘削面上部から地上までの高さ)が最大約1400メートルと前例がない工事だ。「岩盤や湧き水などの状況次第で工期は大きく変わってくる。実際にやってみなければわからない」(大手ゼネコン幹部)という。歴史をさかのぼっても上越新幹線の大清水トンネルや東海北陸自動車道の飛騨トンネルなど例を挙げるまでもなく、長大トンネルは計画どおりに進んだことがない。工期が延びても不思議はないのだ。
懸念はほかにもある。建設費だ。建設実施計画が認可された昨年10月の時点で、総工費は5兆5235億円(山梨リニア実験線既設分除く、車両費含む)。この金額についても「いくらまで膨らむのか」と危惧する関係者の声がある。
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