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開業まであと4カ月 北海道新幹線の苦悩 PART3 狂う目算 新幹線の憂鬱

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新幹線の愛称を発表するJR北海道の島田修社長(右)とJR東日本の原口宰常務(当時)(撮影:尾形文繁)

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2016年3月26日、北海道新幹線・新青森─新函館北斗間148.8キロメートルが開業を迎える。1973年の整備計画決定から43年、新幹線ネットワークの北海道上陸がようやく実現する。

北海道新幹線は整備新幹線の1路線として、東北(盛岡以北)や九州、北陸とともに工事が進んできた。3月に開業する区間は新青森─札幌間360キロメートルの4割に当たり、05年5月に着工、総工費は約5500億円に上る。

今回の開業は、実質的に「東北新幹線の延伸」だと読み解けばわかりやすい。新しく導入される列車のH5系はJR東日本が新青森まで運用しているE5系の改良版。4編成の新造にとどまり、東北新幹線で使われている「はやぶさ」「はやて」の名を変えずに津軽海峡を渡る。

ただ北海道新幹線の先行きは楽観できない。東海道・山陽・九州新幹線が、沿線の大都市間や拠点都市間の需要を満遍なく拾えるのに対して、東北・北海道新幹線沿線は、首都圏から離れるほど旅客が減る「先細り型」の傾向が著しい(図1)。

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