
業績は絶好調のメトロだが、大株主の東京都がネックになっている(撮影:梅谷秀司)
「企業価値を高めて、いつでも上場できるよう準備を続けていきたい」──。11月6日、東京地下鉄(メトロ)の奥義光社長は余裕たっぷりの表情でこう語った。
その2日前には日本郵政グループ3社が上場。各社とも売り出し価格を大きく上回って初日の取引を終えた。株式市場では、郵政3社の上場は「成功」ととらえられている。
奥社長は本音では「今すぐにでも上場できる」と言いたかったのかもしれない。メトロの業績は絶好調だからだ。
この日発表された2015年度上半期決算は、売上高、営業利益、経常利益、当期利益いずれも4期連続で過去最高を更新した。ベースとなる鉄道事業の輸送人員は、すべての沿線で満遍なく増加している。
首都圏のビジネス興隆に合わせて定期券収入が増えている。今年はゴールデンウイークやシルバーウイーク(9月の連休)などの日並びもよく、定期外収入も好調だった。
そこにインバウンド効果が上乗せされる。訪日外国人の利用は前年同期比で35%増加したという。大手鉄道各社の中で圧倒的に高い鉄道の売り上げ比率が奏功した格好だ。
トピックボードAD
有料会員限定記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら