「グッバイジャパン」の悪夢 海外投資家が日本株売り
アベノミクス相場の買いの主役であった海外投資家が猛烈な売りに転じている。日本株はこのまま海外勢から見放されてしまうのだろうか。
日本を代表する銘柄がズラリとそろう東証1部で外国人売りが吹き荒れた今年3月、新興株が取引されている東証マザーズ市場では海外勢が逆に買いの主役を演じた。同月のマザーズ市場における外国人の売り買いは差し引き140億円余りの買い越しと、3カ月ぶりに買いが売りを上回った。売買代金は活況の目安とされる1000億円超えが常態化した。
多くの海外勢の資金を引き付けたとみられるのが、創薬バイオベンチャー・そーせいグループ株である。同社の株価は昨年9月下旬から今年5月上旬までの約7カ月半で7倍強に急騰。バイオ分野のソフトバンクとも称される積極的なM&A戦略を通じた、アルツハイマー治療薬など成長分野の強化策が投資家にアピールしたとみられる。時価総額は3500億円超とマザーズ上場銘柄トップだ。
ただ、UBS証券の大川智宏エクイティ・ストラテジストは「成長期待のある銘柄がマザーズ市場にしか残っておらず、そこへ矛先の向かった側面がある」と話す。そっぽを向かれた主力株のマーケット。「1部銘柄売り・新興株買い」という構図は、日本株相場全般に対する海外勢の失望の裏返しでもあるのだ。
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