ソフトバンクグループで孫正義社長の「後継者の筆頭候補」と目されるニケシュ・アローラ副社長。同社の傘下にある米携帯電話大手スプリントの競合相手・独Tモバイルや検索エンジン世界大手の米グーグルといった国際的企業で要職を務めてきた彼は、ソフトバンクに迎え入れられるずっと以前から世界各国におけるメディアの関心を集めてきた。同氏が生活の拠点を置いた英国と米国の大手新聞を中心に、海外メディアがこれまで伝えてきた「ニケシュ像」を見てみよう。
決算会見で孫社長がアローラ氏は後継者候補だと明言した直後の2015年5月15日、英フィナンシャル・タイムズ紙が「ニケシュ・アローラ:ソフトバンクの屈強な要人」と題した人物評を掲載。約1000語にわたる記事で、巨大な目のくまと彫りの深さが特徴的な似顔絵付きだった。同記事は「長年働いた社内の人間が上層部へと上り詰めることの多い国で、外国人が会社経営を行うことは試練となる」と指摘。一方で、インドで生まれ、わずか100ドルの資金を元手に渡米した経験を持つアローラ氏にとって「文化障壁は大きな問題にならないかもしれない」とも述べている。さらには同氏がいわゆる社内政治をも得意としていたのではないかとの見方を提示。グーグル在籍時に英ロンドンから米カリフォルニアへと転勤した際には、自身が統合したロンドンを拠点とする欧州部門を再び分割して後任者の権限を制限した、とする元同僚の証言を紹介している。
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