ソフトバンクグループの株価が冴えない。国内通信事業の苦戦、巨額買収した米国携帯電話4位のスプリントの不調、踊り場を迎えたかに見えるヤフーや中国アリババといった投資先。三つの爆弾が株価の上値を抑える要因だ(図表1)。
特にキャッシュ(現金)の大半を稼ぎ出す国内の苦戦が響いている。国内で稼いだ巨額のキャッシュを海外での成長投資に振り向けることで勝ちパターンを作ってきたソフトバンクの戦略上、大きな痛手だ。
停滞する株価について、バークレイズ証券の舘野俊之アナリストは、こう語る。「国内通信は利益が伸びても、成長率は成熟した通信市場の伸びと同程度だからエキサイティングではない。2013年に買収したスプリントの再建は、うまくいっても2年はかかりそう。アリババの株価急落も気掛かりだ」(舘野氏)。バークレイズは9月からソフトバンク株を売り推奨に格下げした。
ソフトバンクにとって、株価下落は他社よりも重大な意味がある。一つには金融機関の目が厳しくなるからだが、「将来有望なベンチャー企業は、株価が下がっているような会社に投資してもらおうとは思わない」(ソフトバンクに詳しいアナリスト)という面もある。永遠に成長し続けるイメージを維持することこそが命綱なのである。
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