10月下旬の昼下がり、東京・二子玉川駅前にあるみずほ銀行玉川支店。ベビーカーに乗せられた幼児が店内で、ソフトバンクグループが開発したヒト型ロボット「ペッパー」と向き合っていた。不思議そうな目で見つめている。
ペッパーは「いらっしゃいませ。みずほのペッパーです。お持ちの受付カードの番号を入力してください」と、幼児に話しかける。しかし、幼児は受付カードを持っているわけではない。無言のまま見つめているだけだった。
しばらくして、幼児の祖母らしき人が来る。ペッパーは「いらっしゃいませ……」。あいさつを繰り返していると、その女性が「こんにちは、ペッパーくん。今日は記帳に来ただけなの。わかる? ペッパーくん。今日、私は窓口にご用はないの」。ペッパーは女性の問いに答えられず、「いらっしゃいませ」を繰り返した。
ギクシャクしたやりとりもあるものの、みずほ銀行インキュベーション室の井原理博氏は「一定の効果はあった」と評価する。導入から3カ月、ペッパー設置店では平均1割ほど客数が増えた。全店平均での来客数が漸減する中では大健闘だ。
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