企業業績の二極化が進んでいる。今稼ぐ会社は何が違うのか。
今年2月、“事件”は起こった。重電3位の三菱電機が、時価総額で日立製作所を抜き業界トップに躍り出たのだ。
日立への成長期待が見直され、同社の株価が下落した面はある。ただ日立の売上高が約10兆円なのに対し、三菱電機のそれは約4.4兆円。時価総額逆転はやはり事件だ。
前2016年3月期の営業利益は3011億円、前期比5.2%減だったものの、利益額は過去2番目の高さ。売上高営業利益率は6.9%と、日立の6.3%を勝る。さらにROE(自己資本利益率)は12.4%に達する。日立の中西宏明会長は「三菱電機の時価総額が高いのは利益率が高いから」と認める。
総合電機メーカーである三菱電機は、人工衛星からFAシステム、冷蔵庫まで幅広く手掛ける。そのため、事業内容を一口で語ることは難しい。ただ、今回の浮上を象徴する一つの事業として、エレベーターなどの昇降機を挙げることができる。
同社の昇降機は国内シェアトップ、世界でも2番手グループに入る。最大市場である中国ではトップ3圏内。15年3月期は10万台の新設受注のうち75%が中国からだった。
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