逆風が吹き荒れる企業業績を、『会社四季報』の業界担当記者が徹底予測。
円高に資源安、中国経済の失速などの余波が、企業業績に暗い影を落としている。波乱含みの業種や企業はどこなのか。『会社四季報』の業界担当記者が語り尽くす。
──三井物産と三菱商事は、創業以来初の赤字に転落したね。
商社担当 資源分野に強い三井物産は、2015年度決算で2600億円の減損損失を計上した。鉄鉱石とLNG(液化天然ガス)、原油への投資は続ける方針だが、初めて非資源分野の強化を打ち出すなど、危機感をあらわにしている。
三菱商事も4300億円の減損を計上し、今後は資源分野の投融資残高を3兆円から増やさない方針に転換した。しかし頼みの非資源も自動車販売など新興国向けの回復には時間がかかるだろう。
16年度の商社業績は減損が一巡することで回復基調だが、過去数年間に出した水準には戻らない。他分野を増やすといっても不透明で、結局は資源価格の影響を受けるだろう。厳しい中でも伊藤忠商事は投資した中国国有企業が寄与することもあり、16年度も過去最高益を更新する見通しとなっている。
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