企業業績が停滞している。3月期決算の上場企業2163社について、2016年度の営業利益予想を集計したところ、前期比1.8%減とわずかながら減益になることがわかった(5月末時点の東洋経済予想)。前15年度の実績が同9.4%増だったことを考えると、企業業績にブレーキのかかることがあらためて浮き彫りになった。
新興国の景気後退や米大統領選挙の行方など世界経済に不安定要素は多いが、最大の要因は円高だろう。トヨタ自動車は1ドル=105円の前提で、16年度は為替だけで9350億円の減益要因になる。
第1四半期決算以降は上方修正が続出する?
一方で、市場関係者からは「会社予想が保守的すぎる」という指摘もある。SMBC日興証券の阪上亮太チーフ株式ストラテジストは「第1四半期(16年4~6月期)決算以降は、会社計画の上方修正に注目の集まる公算が大きい」と指摘する。為替前提が保守的であるうえ、もともと弱気な予想を出す企業が多いためだ。「01年以降、米国景気が顕著に悪化した年度を除けば、すべての年度で企業の利益は期初予想を大幅に上振れして着地している」(同)。
実は16年度の業績予想を子細に分析すると、過去最高の営業利益が見込まれる企業は少なくない。その数は497社。12~3月期決算の2988社が対象で、その割合は16.6%となる。業種別に見ると、サービス業や小売業、不動産業では25%以上の企業が最高益を見込んでいる。他方で円高の影響を受ける輸送用機器や電気機器では10%以下、マイナス金利が直撃する銀行業ではゼロと、業種によるバラツキが大きい。逆にいえば、為替影響を除くと、企業業績の実態は悪くないということでもある。
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