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2025年6月、会計監査院は自衛隊の国産哨戒機「P-1」の稼働率が極めて低いことを報告した。主たる原因はエンジンと搭載システムにあったと示したが、具体的な稼働率までは踏み込んで報告していなかった。
この報告で指摘された不具合が改善したかという質問が2026年9月15日の海上幕僚長会見で質問され、その後日本テレビが「P-1の稼働率は2割から3割」と報じて衝撃を与えている。
筆者は数年前からP-1の稼働率は3割程度だと報道してきた。大手メディアが後追いする形での報道となる。しかも会計検査院の報告書が公開された以後も、海上自衛隊は何ら具体的な改善を行っていなかったということになる。ようやく、国産哨戒機に深刻な問題があることが国民に認識されてきたのではないだろうか。
ビジョンもなし、当事者能力もなし
日本テレビの報道によれば、〈関係者は「部品不足のため、哨戒にかかる装備品のない、ただ飛べるだけの機体が納入され、部品取りに使われることもある」と明らかにした〉という。
これが事実ならば大問題だ。部品取りのために使えない機体をあえて調達していることになる。部品だけを調達すればいいのだが、機体を調達しないとメーカーである川崎重工業のラインが維持できなくなるからだろう。
そもそもP-1の失敗は開発前からわかっていたのだ。それは、日本政府に防衛航空産業育成のビジョンが欠如し、防衛庁(当時)開発の当事者能力が欠如していたからだ。
当時から「開発は非現実的だ」と、石破茂防衛庁長官も開発に反対していた。だが防衛庁と海上幕僚監部、経済産業省も熱に浮かされたようにこの国産機の開発を望んでいた。
その背景には、前の対潜哨戒機で国産を提案したが、政治決断でアメリカ製のP-3Cが採用された経緯も影響しているだろう。情念だけで無理な開発が強行され、国産開発という手段が目的化されたということだ。
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