米中が再び「戦勝国」として向き合うとき、日本はどこに立つのか。
9月24日、米ワシントンで開かれた米中首脳会談。翌25日のホワイトハウスの成果文書には、トランプ大統領と習近平国家主席が、米中は第2次世界大戦の同盟国として共に戦い、勝利したことを振り返った、と記されている。
戦後81年の今、この一節を外交儀礼として読み流すことはできない。激しく競い合う米中が、共に戦争に勝ったという歴史を関係改善の場で確かめ合う。その語りは、両国を、今日の国際秩序をも決める大国として位置づける効果を持つ。
米中の対話によって戦争の危険が減ることは歓迎すべきだ。しかし、大国間で成立する安定には、交渉の席にいない国々が負担を負わされる余地がある。日本が警戒すべきは、米中の対立だけではない。米中が日本の頭越しに折り合う世界にも、備えなければならない。戦後秩序を支えた平等の原則が後退し、戦勝国の特権だけが生き残るのか。今回の会談に重なる「ヤルタ2.0」の影とは、この問いである。
この記事は有料会員限定です
残り 3912文字

