「歴史は繰り返さないが韻を踏む」という格言どおりの展開を、私たちは遠からず国際マクロ経済政策で目にすることになるのではないか。1985年のプラザ合意ではアメリカの主要貿易相手国が協調してドル高の是正に動いたが、現在の貿易不均衡に対処する新たな合意の必要性は一段と高まっている。
「グローバル化は終わった」という勘違い
その理由となるのが、中国の8月の貿易データだ。中国の輸出は7月にも前年同月比で23.9%の伸びを記録したが、8月にはさらに伸びて同25%という途方もない水準になっている。「脱グローバル化が進んでいる」という論評が盛んに聞かれるが、そうした議論は現実を見失っている。
内需が低下している中国の輸入は、輸出と同じようには伸びていない。その結果、中国の貿易・経常黒字は急激に増えている。20兆ドル(3000兆円以上)もの経済規模(GDP<国内総生産>)を持つ国としては、普通では考えられない黒字の積み上がり方なのだ(編集注:2025年の段階で中国の貿易黒字は過去最高の1兆1942億ドルを記録した)。
この記事は有料会員限定です
残り 1359文字

