ペーパーレス化の強い逆風が吹き、厳しい環境にある製紙業界。そんな斜陽産業で株価が3年半で4倍となった企業がある。三菱製紙だ。
同社は三菱グループのトップが集まる「三菱金曜会」に名を連ねる名門。1898年に岩崎久弥が、アメリカ人のウォルシュ兄弟が神戸で経営していた製紙会社を譲り受けたのが始まりである。ただ、国内製紙業界では6番手と規模は決して大きいといえない。
「三菱」を冠するが、2019年には業界最大手の王子ホールディングス(HD)が32.8%出資し、王子HDの持ち分法適用会社となった。22年には社長も王子HD出身者となり、着々と“王子化”が進んでいる。
「4バガー」の背景に超強気の中計やアクティビスト
しかも、インクジェット向け機能紙などでとくに強みを持つが、製品で見ると、段ボール原紙など板紙はあまり手がけておらず、グラフィック用紙など紙の構成比率が高い。コピー用紙などのグラフィック用紙は市場が急縮小しており、ペーパーレス化の打撃をより深刻に受けやすい構造だ。
実際、三菱製紙の業績は厳しい環境を反映してきた。売上高は過去20年間、減少傾向。装置産業である製紙業では、数量が落ち込めば固定費負担が重くなり、利益は急減する。近年はドイツの不採算工場売却など構造改革の効果で採算が改善したものの、環境の厳しさは変わらない。24年から25年にかけては、グループ全体に広がっていた品質不正も発覚した。
にもかかわらず、22年12月に271円まで下がった株価はそこから急反発。1200円を突破し、冒頭で記したように3年半で「4バガ―(4倍株)」を達成した銘柄となった。
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