「地べたにはいつくばってやっていた調査をドーンとスケールアップする」
そう語るのはハウスメーカー大手、住友林業・森林ソリューショングループの高橋宏治シニアリーダーだ。
住友林業は2010年から、インドネシア西カリマンタン州の約15.5万ヘクタールで製紙原料となるアカシアを植林する森林事業を営んでいる。枯れた植物が微生物により分解されないまま堆積した泥炭地がインドネシアには広がっているが、この事業で重要なのが、泥炭地の地下深くを流れる地下水の水位がどうなっているかだ。
住友林業はこれまで泥炭の分布と深度測定、地下水位のモニタリングといった膨大な作業を人力に頼っていた。地形調査の範囲は延べ1810kmに上り、1400カ所でボーリング調査を行ってき。こうした調査を今後、「宇宙からの目」を取り入れて効率化するというのだ。いったいどういうことなのか。
過度の排水が泥炭火災を招く
泥炭地で植林やパーム油農園などの開発が行われると、しばしば起こるのが泥炭火災だ。水分を多く含む泥炭地では、排水なしにアカシアやアブラヤシを生育できない。が、この排水が行き過ぎ、地下水位が大きく低下すると、湿っていた泥炭が乾燥し、泥炭火災が発生しやすくなる。泥炭火災を防ぐには、排水をしつつも地下水位の大幅な低下は防ぐ必要がある。そこで住友林業は5年を費やして精密な水位の調査を西カリマンタンで行ったが、こうした手間のかかる調査を他地域に横展開することは難しい。
そこで行き着いたのが人工衛星から得られるデータを活用した地下水位の管理だった。
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【パーム農園の生産性が大幅に向上】
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